2013年2月5日火曜日

こんなはずではなかったが(2):領有権を捨て、通行権の確保でメンツを保て



●4日、台湾中興大学日本総合研究センターの蔡東傑主任は「尖閣問題の核心は領有権ではない。中国は島周辺の航行権を確保し、米国による海上の“中国包囲網”に穴を開ける狙いがある」と指摘した。写真は尖閣諸島。



レコードチャイナ 配信日時:2013年2月5日 0時27分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69136&type=0

<尖閣問題>「米の海上包囲網突破狙う中国、今後は舌戦に」
=米にも思惑?―香港メディア

 2013年2月4日、香港・中国評論通信社(電子版)によると、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権をめぐる日中関係緊迫化について、台湾中興大学日本総合研究センターの蔡東傑(ツァイ・ドンジエ)主任は同日
 「尖閣問題の核心は領有権ではない。
 中国は島周辺の航行権を確保し、
 米国による海上の“中国包囲網”に穴を開ける狙いがある」
と指摘した。以下はその概要。

 米国は沖縄、尖閣諸島、フィリピンをつなぐように海上包囲網を築いている。
 中国を取り囲み、太平洋進出を阻むためだ。
 見渡してみると尖閣と沖縄の間が最も広く、一番包囲網を突破しやすい。
 中国がこの場所に狙いを定めたのは、海上航行の自由をより拡大するためだろう。

 米国はそもそも、東シナ海における中国船の航行を阻止することはできない。
 尖閣にはもともと波が立っていなかったのに、米国が背後であおり火をつけた。
 東南アジアが混乱することで初めて、米国は地域問題に介入できる。
 日米の選挙が一段落した今、開戦の可能性は低い。
 今後は「中国の脅威」をテーマにした舌戦が展開されるだろう。


 「「尖閣問題の核心は領有権ではない。中国は島周辺の航行権を確保」
 ものすごい後退である。
 これでいいのだろうか。
 というよりこれしか、妥協点が見つからないということだろうか。
 尖閣問題は中国の手詰まり状態で推移している。
 中国には戦争を遂行する能力はない。
 しかし、それはあからさまには言えない。
 でも、振り上げた拳をなんらかの形で降ろさねばならない。
 そこで見つけたのは「通行権確保」という代替目標ということである。
 どうみても中国の領有権主張には分がない。
 それに武力での奪回もほとんど絶望的。
 とすれば残された、「メンツ立て解決策」がこれということにになる。

 ただ問題となるのは、あれほど領有権を煽っておいて通行権で手をうとうということに中国民衆の不満が鬱積しないかということだろう。
 希望の星であった人民解放軍がまるで動けず、睨まれたカエルのように引きこもって、時々ただ領海近くを散策しているだけではなんとも張り合いがないのではなかろうか。
 「ハリボテ解放軍」
とそしられても返す言葉がないだろうに。

 日本風にいうと、「根性をみせろ」「気合をいれろ」ということになる。
 巡視船同士の
 「ネコとネズミの鬼ごっこ」
ではなく、性根をすえろ、といったところか。




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